読書家の橘玲氏の本は、いろいろな本の情報がコンパクトにまとまっていて便利だ。
紹介されていた本の中で特に印象に残ったのが、以下のラディカル・マーケットだった。
私有財産とか一人一票などの従来の常識をくつがえした斬新な「仕組み」で社会問題の解決を図る方法を提示している。
氷河期世代の問題も、終身雇用や新卒一括採用といった旧来からの「仕組み」によるものだし、「仕組み」自体を変えることで解決できる問題はたくさんあるように思う。
ただ、オンライン診療での医師会とか、ライドシェアでのタクシー業界みたいに、既得権益を守ろうとする抵抗勢力がいるので、仕組みを変えることは簡単じゃない。こういった抵抗勢力の力を削ぐという点でも、この本で紹介されている投票の仕組みは有効そうだ。
こういったラディカルな方法を試してみる、ぐらいのフットワークの軽さが国にあったらいいんだけど、まったく期待できそうにない。結局、独裁者によるトップダウンぐらいでしか、ラディカルな方法なんて採用できないんじゃないかという矛盾がある。