【書評】「その日暮らし」の人類学

タンザニアで「その日暮らし」をする人々を文化人類学者が考察した本。

 

文章が堅くて読みづらかったけど、内容的には面白かった。タンザニアで「その日暮らし」をする人々の「最小限の努力で生きる」という点は、「最小限の努力で最低限の結果を出す」をモットーに仕事をしている自分と重なる部分があった。

 

ただ、究極のジェネラリストとして様々な職業を身軽に渡り歩く彼らと違い、自分は多くの会社を渡り歩きながらもジョブ型雇用で特定の職種にしがみついているので、その点は大きな違いだ。

 

状況に柔軟に対応できるサバイバル能力という点では彼らの方が圧倒的に上だけど、特定職種を続けて専門性を高めたことによって高給と貯蓄が得られたという点では、結果オーライだったと思う。彼らと違って自分には人的ネットワークによるセーフティネットが何もないので、金銭的なセーフティネットを自分で作るしかなかったのだ。

 

以上のような自分の状況も、あらかじめ計画建てていたわけではなく、そのときどきで最もマシに思える選択を繰り返してきた結果、たまたまそうなっただけだ。そういう意味では自分も「その日暮らし」なのかもしれない。今後のキャリアプランも何もないし。