FIRE直後に暴落が発生した場合の資産取り崩し方法の比較

FIRE直後に暴落が発生した場合の資産取り崩し方法をいくつかシミュレーションしてみた。

  • 400万円の定額取り崩し(無リスク資産からのみ取り崩し)
  • 3%定率取り崩し(無リスク資産からのみ取り崩し)
  • 3%定率取り崩し(無リスク資産26%:リスク資産74%の比率維持)
  • 3%定率取り崩し(無リスク資産50%:リスク資産50%の比率維持)

 

条件は厳し目で以下のとおり。

  • FIRE直後にリスク資産が50%下落する暴落が発生
  • その底の状態が5年間継続する

 

初期の資産配分は以下の2パターンとした。

  1. 無リスク資産として年間支出の9年分(3,600万円)
  2. 無リスク資産とリスク資産の比率が50:50

 

シミュレーションした結果は以下のとおり。

 

まず、一番上の表の定額取り崩しは資産の減少が激しいので「なし」だと思った。5年後に総資産が半分以下になってしまう。年間支出の倍数で無リスク資産を用意するバケツ戦略は定額取り崩しを前提にしているようだけど、無理だわ。

 

次に、3%の定率取り崩しで、無リスク資産からのみ取り崩す方式(2番目の表)と、当初の比率を維持する方式(3番目の表)を比較してみた。あまり違いはないけど、比率維持の方がよさげに思える。

 

バケツ戦略の趣旨は、暴落時にリスク資産を取り崩さない(触らない)ことにある。これに対して、比率維持の場合には暴落直後にリスク資産を買い増すことになるので、後者の方が市況の回復時にリカバリーが早そうだ(リバランス後はリスク資産からも取崩していくので、どれぐらいの期間で市況が回復するかのスピードによる)。

 

ただ、無リスク資産とリスク資産が26対74という比率で3%の定率取り崩しだと、暴落時に取り崩せる金額が少なくなりすぎる。当初は408万円を取崩せていたのが、暴落直後は250万円になり、底のままだと5年後に取り崩せる金額は222万円になってしまう。222万円で生活するのはかなり厳しい。

 

そう考えると、無リスク資産とリスク資産が50対50という比率(最後の表)が現実的に思える。底のままの5年後に取り崩せる金額は263万円になる。当たり前だけど、総資産の減少も50対50が一番少ない。

 

やはり、FIRE後の収入がない状態では無リスク資産とリスク資産の比率50対50での定率取り崩しがベストだということがわかった。

 

こうやって実際に具体的な金額で比較すると、FIRE後の想定がしやすい。