【書評】日立の壁

日立の経営危機復活から3代目の社長となる、東原氏の本。

 

昔から経営に関する本を読むのが好きだ。自分自身は単なる平社員で社長になる可能性なんてないし、起業したいとも思っていない。自分の人生において全く役立ちそうにないのに経営の本を読むのは、単純に好きなのだろう。

 

いろいろな経営の本を読んできてわかったのは、企業はトップ次第で劇的に変わるということ。日立は、経営危機からV字回復させた川村氏に続いて中西氏、そして著者の東原氏と、名経営者が続いている。三賢帝といった感じ。

 

逆にダメな人が経営者になったら一気に逆戻りするだろうから、いかに優れた人をトップに採用し続けられるかが重要になる。そのための仕組みをどうやって作っていくのかに興味があったんだけど、将来の経営陣を選抜するためのFuture50といった取り組みなど、抜かりはなさそうだった。

 

仕事で日立製作所の人と関わることがあったけど、品があって良い印象の人が多かった。逆に、比較されることも多いT社には、傲慢だったりと悪い印象の人が多かった。トップも大事だけど、組織を構成する人の厚みが、今の両社の違いを生み出しているのかもしれない。